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変わりゆく日本型雇用システムと法規制

こんにちは。Career-Nowの志村亜希子です。

 

12月20日(金)に東京労働大学講座特別講座「変容する日本型雇用システムと法制」について学んできました。お話をしてくださったのは労働政策研究・研修機構という通称”JIL”の研究所長である濱口桂一郎氏。

 

「変容する日本型雇用システムと法規制」というタイトル。
日本の雇用はどうなる?変わる?わたしたちの働き方はどうなるの?答えが知りたくて、夢中になって聞いていたらあっという間の2時間でした。これが正解!という答えは……出ませんでした。そりゃそうだ、そんなに簡単なものではない。急ぐな、焦るな、私(;´∀`)

 

しかしながら、将来の働き方を考えることにつながる有意義なお話を聞くことができたと思います。

 

先生はとてもたくさん話してくださいましたので、ここで学んだことをわたしの経験やキャリアコンサルタントとしての見解を交えながら、ほんの一部だけですが、ポイントをシェアします。

わたしは法に通じているわけではない点ご理解いただければ幸いです。そして、このコラムが皆さんお一人おひとりの働き方について考えるきっかけになればと思います^^

 

 

 

目次

日本型雇用システムとは??

日本型の雇用システム、と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
・長期雇用?
・年功序列?


じつは、日本の多くの雇用契約には、職務について具体的な記載がありません。



「あなたは弊社の一員(メンバー)です」ということの契約がなされていることが多いため、入社後、一人ひとりの特性に合った部門への異動、または、そのとき部門ごとに必要だから、という理由で会社側は異動を命じることができます。


従業員側のメリット: 今就いている職種が無くなってしまったとしても、社内になんらかの職種がある限り、会社に所属し続けることができる可能性がある、という点が挙げられます。
従業員側のデメリット: 希望していた職種に就けない可能性がある。ひとつの職種を徹底して習得する(プロフェッショナルになる)ことが難しい点が挙げられます。


会社側のメリット: 必要な部門に人材を容易にシフトすることができることで、社内全体の最適化を図ることができます。
会社側のデメリット: ポストのなくなった従業員については、異動をさせるなどしながらその従業員の雇用を維持しなければならない、といったことが挙げられます。


・・・そのため、日本型雇用システムでは、本社が社内すべての人事権を持ち、会社の人員計画を立て、社内間での異動をとおして社全体を最適化をします。ちなみに海外では、本社でなく各部門長が人事権を持ち、プロジェクごとの採用人数の決定、面接等による採用の権限があります。


~ちょっと☆Coffee break~
わたしは一時期、ベトナムで働いていたのですが、採用する際には「Job Description(ジョブディスクリプション)」といって職責を詳細に書き記したものを、採用候補者に明示し、納得したらそれにサインし、職責全うを条件に給与を支払っていました。

 
現地のスタッフはとてもJob Descriptionを大切にし、また、それは完璧にこなし、それ以外のことは全くしない。「だってJob Descriptionにそんなこと書いてない」といったやりとりをよく耳にしたものです。職責さえ全うしていればOKなのですから、働く時間も自分で調整しほぼ皆さん定時には帰宅していました。

日本型雇用の入り口

そもそも会社の「一員(メンバー)」としての採用であり、部門のプロジェクトごとに必要な「職責」による採用ではないため、日本では会社のカラーに染まりやすい新卒を好んで採用します。基本的にはOJTを通して、技術を身に着けていきます。そして、企業内で都度さまざまな職務を経験しながら熟練になっていきます。他企業への転職がしづらくなる半面、担当職務が無くなったからと言ってクビになることが少ないため、定年まで働ける可能性が高まります。
メデタシメデタシ・・・?!


一方海外では、「職責」による採用のため、求人に記載ある「職」を全うしてくれる人材、すなわち即戦力のあるプロフェッショナルを採用します。そのため、大学を出たばかりの新卒は、経験値が不十分なため、インターンシップという形をとって、ポストが空いたら、そこに応募しているそうです。また、職責を十分に全うしなければ、ポストを退かなくてはなりません。

で…日本型雇用システムと法制はどうなっているの?

じつは!!!

民法と日本の雇用契約の性質は全く相反しています。



どういうことかというと。

民法では、雇用契約の労働従事と報酬支払を対価とする再建契約と定義していて、『労働者=企業の取引相手』であって、一員(メンバー)ではあり得ない!!のです。


では、「社員」という言葉はどうでしょう?「わたしは〇〇社の社員です」。厳密に言うと「社員」と呼べるのは、有限責任社員、見現責任社員、株式会社での社員とは株主のことなのです。


で、日本の法律と日本型雇用システムのギャップをうめているのは・・・・


な、なんと。




判例。



信義則・権利濫用法理⇒かなり大雑把に言うと…権利を振りかざしちゃダメよ。お互いの信頼関係が大事よ、誠意をもって行動しましょう…という法の一般原則をもとに、判例にて、本来、債権契約のはずなんだけれども、あなたはうちの一員(メンバー)だよ♡という、現実に適応させています。


なかなかファジーですね。。こういうケースって多いのかな?
しかしながら、契約において、信頼関係・誠意がとても大事なことだと改めて理解できますね。


判例の積み重ねで法律とのギャップを埋めている日本型雇用システム。



ですが・・・
そんな日本で今、労働社会が大転換期を迎えようとしています。
判例で埋めてきた労使関係のギャップはどうなっちゃうの!?を次で見ていきます。

今は労働社会の大きな転換期!!

日本では、ソサイアティ5.0と称して政府がデジタル化を推進しています。デジタル化の議論はもちろん日本だけでなく世界共通のものです。


インターネット、遠距離データ通信、クラウドソーシング、ビッグデータ、ロボット、Io T,人工知能…


これらの発展により、時間と空間の制約を超え、「いつでもどこでも」生産活動ができる環境がうまれるわけですね。



テレワーク、自宅で/サテライトオフィスで/喫茶店でも、どこでも仕事をすることができ、勤務時間内でも夜間でも休日でも海外でも、作業ができてしまいます。



これにより、介護・育児中で働き方に制約がある人でも仕事をすることができる環境が整いつつあります。今まで働き方に制約のあった人たちでも働けるようになるため、ワークライフバランスに有効となる可能性がありますが、一方、「いつでもどこでも」できてしまうので、働きすぎの危険性が出てきてしまいました。



さらに。




産業革命以後は、ある程度まとまりのある職務があるという前提で「継続的な雇用契約」を締結してきたわけですが、デジタル化により、職務をタスクごとに分解、個別発注、成果に報酬を払う仕組みが可能になりました。その結果……仕事単価が下がる可能性が出てきたわけです。


プラットフォーム経済(シェアリング経済)によるクラウドソーシングの急激な拡大は、新たな自営業の世界を生み出しつつあります。試しに「在宅 業務委託」でオンライン検索してみると、細分化された仕事が今現在、すでにたくさん存在しています。



まとめると…新たな働き方ができるようになると、専業主婦、引きこもり、退職を迎えた方々への新たな仕事となる可能性がある一方、今までの労働者よりも不安定で低所得の働き方が拡大する可能性もでてきました。この点については、日本だけでなく、世界共通の課題として、労働法規制や社会保障制度の在り方を見直す必要が出てきました。


そして、今までの日本型雇用システムと法制にギャップがあり、それを判例が埋めてきたように…日本型雇用システムと日本の法制は、都度、日本の労働社会に合った形で柔軟に、多勢いる一般市民に合った形になっていくでしょう。^^
そして、日本型雇用システムと法制にはギャップがあり、そのギャップを判例でうめていますが、将来どのような判例ができるのか…あるいは法制に近づき、労働者は企業の取引相手であって、メンバーではない、となるのか…先行きは不透明です。

ですから、わたしたち自身ができることは、自分のライフステージやライフスタイル、環境、自分自身の魅力を理解して、自分にとって望ましいライフ&ワークバランスなどうか?考え、理想と現実のギャップを知り、自分の望む理想に近づけていく。そして社会の一員として活躍する。


これはわたしたち一人ひとりが自由に考え、実現できること。そう考えるとワクワクしませんか?
5年後、10年後、どのようなビジョンをもって働くのか。

〇年後に■■になりたい
だから
〇年後に◆◆の勉強をしたい、や
〇年後にサバティカル休暇(長期休み)を取得して海外でボランティアしたい…(経験積みたい)

など
多様な働き方ができる、カスタマイズできる今の時代に、どのような選択をするか。
わたしたちには選ぶことができる。


今を生き、
将来を生きる。



人生100年時代。
焦ることなく着実にコツコツと準備していくお手伝いをさせていただけたと思います^^


もっと知りたい、ご自身の働き方について考えたい、などありましたら、遠慮なくお問い合わせください。

※2019/12/28 1:42修正・追記しました。

※【オフィスのお写真】acworksさんによる写真ACからの写真 、【ビックリマークのお写真】 アトリエ100さんによる写真ACからの写真 、【親子ピクニックのお写真】 FineGraphicsさんによる写真ACからの写真 など、使用しています。写真の提供ありがとうございます。

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